無為





本を、読んでいた。
その本は、白紙だった。
長い時間机につき、白紙のページを目で追い、繰っていた。
一度も夢中にはならなかった。

その分厚い白い本を読み終え、閉じたとき
私の頭はまっさらで
顔がなくなっていた









「自由」3(2018年5月)