郷愁





木 や 物体 とか…
それは そこに立っている
ずーっと

雨にあたっても 雪にうもれても
何もしない
じっとしている

ぼくは ぼく以外のどんな人も
その近くを通る
それが視界に入る
遠くにいなくなる ずっとそこにいる

あればなんとも思わないのに
なくなれば それに気付く
違和感もある
そして

忘れる あっという間に

ある日
そんな宿命にあるかもしれない それらのものを
――その時は橋だった
いつもと違う角度で見た
見ようとして見た

何かが自分の中で
溢れだすほど いっぱいになった
自分にとっちゃ何も関係のない
ただ一点に立ちつくしているだけの それが
全く動かない それが
ぼくを
揺らした









「それだけ」(2018年7月)